毎回毎回、販売数や出荷数とは異なる他社が使用しない生産出荷という謎の数字で華々しい発表を行っていたSCEですが、ソニーの2007年第1四半期連結業績説明会では生産出荷での発表をやめたらしいです。
ソニーいぢり大好きなEngadgetで詳しく取り上げられています。
- ソニー 2007年Q1業績、エレキ好調で増益&「生産出荷」発表を取りやめ - Engadget Japanese
- PS3在庫は230万台、65nm化やや遅れ、逆ザヤ解消は「今期かなり厳しいかな」 - Engadget Japanese
問題の生産出荷とは何かというと、実際の売り上げとはかけ離れた工場からの出荷数(事実上の生産台数)を生産出荷数として発表、生産出荷と出荷数の名前の紛らわしさからメディアが毎回のように出荷数として伝える誤報を繰り返し、結果としてプレイステーション陣営の好調がメディア経由で一般に伝えられるというパターンから、ソニーの情報操作として生産出荷発表が意図的に行われていると以前より指摘されていました。
実際に好調であった時はほっといても実態が後からついてくるので問題ありませんでしたが、PSPがニンテンドーDSに破れた事で好調な生産出荷発表と不調な販売実態との乖離が急速に拡大し、ついに記者から発表会で生産出荷発表について突っ込まれるようになりました。
その時は「生産出荷での発表はアキュレート(正確)に台数が把握できるから」というわけのわからん言い訳でお茶を濁しましたが、今年春の業績発表で初めてソニー自らPS3の出荷台数を明らかにし、生産出荷台数550万台、ソニー外部への出荷台数360万台、統計会社によって調査された実売台数が世界で200万台そこそこという台数のあまりの開きの大きさから国内のニュースメディアでもあちこちで報道されることとなりました。
これまで生産出荷台数と出荷台数を混同して伝えてきたメディアにとって、その台数差が190万台という巨大な物であったことがどれほどの衝撃だったのかがよくわかる事態です。
なぜか、この後もゲーム産業の専門家集団で誰よりも良くその違いを理解しているはずのファミ通が生産出荷と出荷を取り違えたニュースを報道して、ゲーム専門メディアより一般メディアがゲームについて正確に伝えているという意味のわからん事になったりしてます。
一説にはエムブレムサーガ事件でファミ通を出版しているエンターブレインと任天堂が法廷闘争を行った事や、ゲーム誌での広告に頼らない任天堂ハード向けソフトが主流になると会社の経営が傾くためゲーマー向けゲームの多いプレステを応援しているなどの諸説があります。
話を戻します。メディアに生産出荷発表の不誠実性を突っ込まれるようになったことに加え、前期欧米へのPSPの生産出荷台数がなんとゼロ台という異常な数字になり、生産出荷を発表する事がむしろ不調感を増幅させマイナスにすらなってきていたので、今回ソニーが生産出荷の発表を取りやめたのは当然と言えば当然でしょうか。
アンチがソニーをいぢる恰好のネタが、この生産出荷だったのでそれが廃止されたのは微妙に残念と思う向きもあるでしょうが、会社的には間違いなく良いことですね。
はっきり言って遅すぎますが。
その他に説明会で気になったのはゲーム事業の業績が想定よりも若干良かった事。
理由は『想定していたよりもPS3の売り上げが不調だった』せいで『逆ざやによる赤字が想定より少なかった』とのこと。
PS3はご存じの通り一台売れるたびに2万円~3万円の赤字になる商品なので、売り上げが低調であったせいで結果的に赤字幅が想定より少なかった訳です。
喜んでいいのか嘆くべきなのか難しい所です。
まあ、一番ひどいのは発表している大根田CFO自身が売れ行き不調のせいで業績が良くなったことを苦笑しながら説明しているという、ソニー経営陣内でのPS3の扱われ方ですかね。
かつては苦境に陥ったグループを支えたゲーム事業だったのに、とんだ厄介者になってしまいました。
しかし、今期の出荷目標1100万台は変更しないそうです。
最初の三ヶ月でたった71万台しか出荷できなかったのに残り9ヶ月で1000万台以上も出荷するなんてとうてい不可能と思いますが…。










