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2007年08月21日

GyaOで歴史ドラマ『クルセイダーズ』を見ました はてブで『GyaOで歴史ドラマ『クルセイダーズ』を見ました』をチェック

昨日今日とGyaOドラマchで配信している『クルセイダーズ』(前後編)を見た。
前々から歴史好き人間として、GyaOのサイトでちょっと気になってた番組だったが前後編あって、それぞれが1時間40分くらい(CMが入るので約2時間)と尺が結構長かったので見られるタイミングがなかなか無かった。

GyaO ドラマch『クルセイダーズ』

十字軍の聖地エルサレム奪還を描く超大作(全2話)
11世紀、信仰発祥の地エルサレムを求め、十字軍とイスラム軍は戦い続ける―。歴史的激戦に運命を翻弄された3人の若者たちを描く。アクション監督に映画『グラディエーター』のフランコ・サラマンを迎えて贈る歴史アドベンチャー!

あらすじ読んでわかるとおり、やたら金掛かっててなんでこれが映画じゃなくてドラマchにあるのかって感じだけど、海外のテレビドラマってのはこういうもんなのかね?
日本でも正月時代劇とかで二夜連続で大作やったりはするけど金のかけ方がちょっと格違うっていうか。
前にROMEの記事の時も似たような愚痴書いたのを思い出したのでこれくらいでやめとこう。

見た感想。
ネタバレどころでは無いくらいネタバレしてるのでまだ見てない人はご注意を。

故郷でいろいろあって追われるようにして失われた聖地をめざし東方へ向かう3人の若者の人生ドラマなんですが、キリスト教徒・イスラム教徒の二つの血を受け継いだ主人公とキリスト教徒としての情熱に燃える二人の友の運命がなかなかにドラマチックです。
途中で助けた男の子に変装していたユダヤ教徒の女の子をめぐってなぜか三角関係になったり、なぜかバラバラに行動していた3人が偶然同じ場所でなんかやってたり、聖地攻防の最前線で敵として相まみえたと思ったらその間でユダヤっ子が「争うのはやめて!」と言ってたり、ストーリーは映画的というより確かにドラマ的です。
映画でこんなストーリーだったらB級のご都合主義映画の批判は免れないでしょう。
でも、その妙に都合の良い展開にだけ目をつぶればなかなかに良いデキで結構おもしろいです。

高評価ポイント
第一回十字軍による聖都奪還を描いたドラマですが、理想に燃えて参加した十字軍が現実にはただの略奪集団となり破壊の限りを尽くす事をきちんと描いています。
十字軍が来る前はキリスト教徒・ユダヤ教徒・イスラム教徒は聖地で隣人として仲良く暮らしていたという事も言及されていて、十字軍の登場によって昨日までの隣人達からキリスト教徒達が聖地から追放される場面も描かれています。
主人公ピーターがムスリムとキリスト教徒の子であり、戦士ではなく多くの技術知識を持つ鋳物師であること、聖地奪還ではなく自分のルーツを求めて聖地へ向かうという筋書きは僕好みです。
エルサレム攻防戦におけるムスリム軍の秘密兵器であったギリシャ火(ビザンツ帝国が生み出した火炎放射器みたいなもんで実際の構造は不明・劇中ではギリシャ砲と呼ばれていて違和感が…)が鋳物師である主人公と防衛戦を結びつける事になるのもおもしろいです。
この設定により先ほども書いたとおりギリシャ火の技術者としてエルサレムを守る主人公ピーターと、十字軍ノルマン隊の指揮官として攻城塔で迫るかつての友アンドルーが直接対峙する事になるわけです。
普通、友と友が戦場で再会ってシーンは両方とも戦士じゃないと成立しませんから、エンジニアと戦士というのはそうそう見られるパターンじゃありません。
もう一人の友であるリチャードは元々主人公達が住んでいたとこの領主様の世継ぎです。
しかし、謀反で父を殺され、謀反人の息子(従兄弟にあたる)を戦闘で殺してしまった事から故郷には戻れなくなります。
そして、3人で聖地に旅立つ時には自ら同等の身分として扱うように言い、後には十字軍ではなくキリスト教徒として聖地へ向かい平和を守ろうとします。
元々、従者であったアンドルーが十字軍の部隊長となるのに対し、本来の領主になるはずだったリチャードはそうした身分を捨てまるで求道者のようになっていきます。
こうして、3人が成長と共に本来身分からのねじれが出てくるのも良いです。
また、グラデュエイターのアクション監督が参加したらしく、聖地での戦闘シーンはとても見応えがあります。

微妙ポイント
先ほども書いたとおりのメインストーリー自体はいいのに、妙にご都合主義的な偶然が起こったりする所はやはり気になります。
そして、主人公ピーターは愛する人を故郷に置いて旅立ってきたのになぜか友アンドルーとの間でボーイッシュなユダヤっ子のレイチェルを巡って三角関係らしくなります。
そもそもレイチェルとピーター・アンドルーがくっつく場面自体がそこまで無かったのでなんかすごく唐突です。
アンドルーがレイチェルに好意を抱いているのは前編の最後の方で描かれますがレイチェルがどう思ってるのかはまったく触れられてませんから、いつのまに!感があります。
そして、最大のダメ出しポイントはやはり名前でしょう。
先ほどからキャラクターの名前を何度も書いてますが違和感を感じませんか?
ピーター・アンドルー・リチャード・レイチェル。
名前がバリバリに英語名です。
実は、主人公達の故郷はイタリア半島にあります。
イングランド人ではありません。
そして、レイチェルに至ってはアジアに住んでたユダヤ人です。
この名前はいくら何でも無いだろうと思います。

まあ、イタリアのドラマ作品らしいので時代考証とか映画ほど緻密ではありませんが、見て損はしないものです。
中世ヨーロッパの歴史が好きなら無料ですし一度見てみる事をお勧めします。

これを見て十字軍に興味を持ったら、リドリー・スコットの『キングダム・オブ・ヘブン』もお勧め。DVD安いし。
なんか主人公を取り巻くストーリーとか若干被ってる感じもありますが、こちらは『クルセイダーズ』の時代から1世紀以上が経って英雄サラディンによってエルサレムが再びムスリムの手に奪還される頃の話です。
サラディンと最後のエルサレム国王ボードゥアン(ハンセン病のため鉄仮面を被っている)のやりとりなどツボポイント多数です。
こちらのエルサレム攻防も大迫力です。

キングダム・オブ・ヘブン
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