モンハン移籍は水面下で起こっていた変化を一気に顕在化させる
カプコンの人気タイトル『モンスターハンター3』のWii移籍について、このブログではさらっと触れただけだったので改めて取り上げてみます。
僕はこのニュースを専門誌では知っていたのだろうと思っていたんですが各誌の編集長のブログなど見ていると青天の霹靂であったようですね。
それどころかSCEも直前までモンハンがPS3で出ると疑ってなかったらしく。
専門誌もメーカーもこの重要なタイトルの動向を見誤っていたとなると、その波紋は僕が今まで思っていたよりはるかに大きく広がるでしょうね。
モンハンが重要である理由というのは、ようするにこのタイトルがゲーマー及び中高生に圧倒的な人気があるからです。
この層は任天堂が唯一苦手としている層で、子供っぽいと感じるものを極端に嫌う層です。
WiiはPS2を越えるスピードで普及を進めていますが、この層に関してだけは綺麗にスッポリと抜け落ちています。
先日の任天堂カンファレンスで発表されたユーザ分布を見るとそれは明らかです。
この層は比較的ゲームをよくやる層で、経済力は弱いですが時間と体力は有り余っているため濃いゲームを好みます。
そのため濃い大作タイトルが発表されているPS3の買い時を待っているユーザーが多い訳です。
そして、どんだけWiiが圧倒的に売れていると言われてもFFやMGSやGT5やモンハンが出るんだからすぐにひっくり返ると考えてる人がかなり多いです。
その理由は、年齢が若いため経済の仕組みがよくわかってない事や、ゲーム業界がひっくり返った10年前に何が起こったかを見ていない世代だからじゃないかと思っていますが。
いわゆるプレステ世代です。
しかし、今回のモンハン流出はこの層に大きな衝撃を与えたでしょう。
ゲーム機戦争が現在どのように展開しているのか、競争で負けたハードはタイトルを失うという事実を今回はっきり見たわけです。
次に、ソフトメーカー。
水面下で起こっていた変化と書いたのはメーカー動向の事です。
すでに中小のデベロッパーやパブリッシャーは全面的なWiiシフトに移行しているところがほとんどです。
しかし、大手は新規タイトルなどでWiiを重視しながらも大きなプロジェクトはPS3に振り分けていたところが多く、Wiiへ変更したいと思っても露骨に逃げて批判に晒されるのを恐れています。
誰もが逃げたいと考えていても自分が最初になるのは嫌だと言う心理です。
いかにも日本人的ですが。
しかし、今回カプコンが先頭をきってモンハンを移籍したことで他のメーカーも逃げやすくなりました。
赤信号みんなで渡れば怖くないってやつです。
そして最期の重要な変化はゲーム専門誌。
ようするにフ○ミ通です。
よく、反任天堂だとかSCEの太鼓持ちと言われますが、これは必ずしも正しくは無いでしょう。
まあ、裁判とかいろいろあったので心理的反発も幾分かはあるでしょうが。
経営的な視点から見れば明らかなことで、彼らは要するに親ゲーマー的なポジションを取ってるんです。
理由は簡単でゲーム専門誌なんて買うのはゲーマーだけだからです。
だからゲーマー受けのいいタイトルばかり扱ってゲーマー人気の高いタイトルが揃うハードを盛り上げようとします。
そういうハードが普及しないと部数が激減してしまいますから。
だから、反任天堂的に見えたり、親SCE的に見える振る舞いは経営上当然な事なんですね。
しかし、今回のモンハン流出は彼らの立ち位置をも大きく変える事になります。
今度のモンハンを手始めにゲーマー向けのタイトルがWiiに流出し、読者がその情報をだんだんと求めるようになります。
そうなれば誌面はどんどん任天堂ハードのタイトルだらけになっていきます。
わかりやすくはっきり言いますと、来年にはフ○ミ通は親任天堂的なポジションを取っているはずです。
数年前の裁判やらなにやらで任天堂とのパイプが無くなって久しいですが、これからエンターブレインは任天堂との関係修復を急ぐでしょう。
任天堂を持ち上げる特集記事が今までよりはるかに増えるはずです。
そうしないと今のまま情報がろくに手に入りませんから。
現在すでに任天堂からのスクープはニンドリやコロコロにお株を奪われているのでWiiがゲーマー御用達ハードになる事が予想されるとなると彼らにとっては自体は急を要するでしょう。
たぶん髭のおじさんのコラムとか論調が任天堂寄りになっていくはず。
今までは一般に普及するハードとゲーマー層に売れるハードで市場分裂することを想定してゲーマー向けハードを持ち上げていたはずですからね。
どこぞに書いていたモンハンについてのコメントを見るとすでにその兆しは見え始めてます。
このように今回のモンハン移籍はソフトメーカー・ゲーム情報誌・ゲーマー&中高生層が一気にWiiへと動くきっかけとなるでしょう。
メーカー主導によって水面下でWiiへの流れは進んでましたが、今回の発表で一気にその流れは強く動き出します。
その役割を考えてみれば12年前のスクウェアの電撃移籍に近いインパクトを業界全体に与える発表であったと言えるでしょう。








