GyaOがいまいち盛り上がらない理由とその対策
このブログでは佐井ちゃんとか小松さんとかのネタでGyaOが話題に出ることが多いので、そのうち書こうと思ってた事があります。
ちょうどSBMでこんな記事が話題になってたので、良い機会だし書かせていただきます。
ただでいろんなコンテンツを配信してるGyaOがいまいち客を掴めない理由。
あくまで僕が考えて問題だと思うものであって、他にもいろいろ理由はあるでしょうが。
そして、解決策として考えられる物をいくつか提案します。
GyaOはCM付きの無料レンタルビデオショップであり放送局ではない
GyaOはオンデマンド配信をベースとしたサービスです。
一部に生放送もあったりして独特なファン層を形成してたりしますが、基本はユーザーが見たい番組を探して視聴するスタイルです。
そして、このスタイルに相当するのはテレビ放送ではなくてレンタルビデオなんですね。
GyaOのサービスは放送局モデルではありません。
わざわざ、あるかどうかわからないビデオを探しにレンタルショップに行き、あったらCM付き無料・ダビング不可で見られるというのがGyaOのモデルです。
今の貧弱なラインナップでは常識的に考えてこんな面倒なモデル流行るわけ無いです。
GyaOに行けばツタヤでレンタルしてるものは大概見つかるくらいに圧倒的に品揃えが良くなければ一般にアピールなんてとても出来ないと思われます。
しかし、コンテンツ調達の事を考えればこれは非現実的。
現在のモデルを続けてる限りはいくらテレビでCM流そうがコンテンツ調達でUSENが傾くほど金掛けようが上向くとは考えにくいです。
はっきり言って無駄。違う方法考えねば。
まず日本人にとってテレビとは何かを考えてみる
GyaOがテレビ局モデルでは無いのはわかったとして、じゃあどんなのがテレビ局モデルなのかを考えてみないと打開策を考えようにもどうしようもありません。
僕が考えるテレビの特性はこんな感じです。
- いろんな情報の配信ツール
- ニュースだとか天気だとかの情報を確保するためのツール。 情報の正しさについては議論はありますが。
- 話題共有型のソーシャルツール
- 積極的なテレビ活用の代表となるのは話題の共有機能です。 亀田騒動も、昨日のガリレオも、日本シリーズもこれをフックとしてみんなと話題を共有するという目的が大きなモチベーションとして視聴者を引きつけています。
- 最強の暇つぶしツール
- もうひとつ、絶対に無視できないテレビの役割がひまつぶしです。 何かみたいものが決まって無くても、洗濯してる時でもブログ書いてるときでもとりあえずテレビつけてだらだら流しておくというのは日本人の視聴スタイルでは非常に重要な部分です。
こうして、テレビが日本人の生活の中でどのような役割を果たしているかを整理してみるとGyaOとテレビの間にある乖離が見えてきますし、解決策がいろいろと浮かんできます。
情報ツールとしての側面に関しては、GyaOがそもそもインターネットという情報ツールの中のサービスである事を考えるとあまり重要とは思えないので端折らせていただいて『話題の共有』と『ひまつぶし』のツールとしてのGyaOについて考えます。
コンテンツに話題共有の付加価値をつける
テレビの果たしている重要な機能が話題共有のソーシャルツールであるということならば、それをGyaOでも実現する方法はどんなものがあるでしょうか。
1.時間軸同期のコメント機能でライブ感を演出
方法の1は上で紹介したページでも言及されている事に重なります。
ニコニコ動画はコンテンツにコメントをつけられる機能によって、視聴時間の重ならないユーザー同士の時間の共有を可能にしたのがキモです。
見ている時間が違っても同じ時間、同じ内容についてネットでみんなでワーワー騒げるというところが画期であったわけです。
僕が『ニコニコ動画』を国内から生まれた初の『WEB2.0』サービスと考える理由もこれです。
創造主のひろゆき氏はWEB2.0という言葉はIT詐欺師が使うペテンの言葉と考えてるようで、自分が作った物がWEB2.0そのものである事を気づいてないらしいこのギャップがまたおもしろかったりしますが。
ニコニコに限らず日本人がテレビを楽しむのも同じく話題の共有こそを目的としたものが多いという事は理解できるでしょう。
テレビは昔から翌日の学校やらでの話題のフックになる共通言語として機能してきたのであり、テレビ番組はソーシャルツールのコンテンツとして優秀でなければズッコけるのです。
何の変哲もないただのオンデマンドのビデオ配信をライブ感のあるソーシャルツールへと変えたこの発想はただものではありません。
GyaOは時間同期型のコメント機能をぜひ採用すべきです。
外部調達した作品にはたしかに向こう側の理解が得られないでしょうからオリジナルコンテンツでぜひ。
はっきり言って現在実装されているレビュー機能なんて読んでる人はほとんどいないし、この機能はGyaOに視聴者を呼び寄せる事は出来ないと思われます。
YouTubeにもGyaO型のコメント機能がありますが、ほとんどのコメントが英語である事を見れば日本人があの機能を話題の割にはあまり活用してないのは明らかです。
2.話題の拡大を助ける機能の充実
日本語版が公開された最近は増えてきたといえYouTubeのコメント機能は日本人にあまり使われていません。
そもそも日本でYouTubeがブレイクしたときYouTubeは完全に英語サイトでした。
しかし日本でもYouTubeは非常に大きな影響力を持っています。
と、考えるとYouTubeはニコニコとは違った理由で日本でも爆発した事になります。
その最大の理由がサービスの最初から口コミを最大限に活用するためのインターフェースが提供されていたことです。
いろんなブログにおもしろい動画が埋め込みで紹介されているのを見たことがあるでしょう。
あれはYouTubeが標準で提供している埋め込みコードをブログに書いたものです。
ああして、おもしろい番組を自分のブログでこんなものがあるよーと紹介する事が出来ればブログがこれほど普及している日本でなら巨大な口コミ効果を得ることが可能になります。
GyaOでもこれを採用してみればいいのです。
たとえば、『溜池Now』を見たことのない中川翔子ファンはネットユーザーにも相当数いるはずです。
でもブログへの番組埋め込みによる紹介が可能になればあの膨大なアクセスがある『しょこたんぶろぐ』に番組を埋め込みで載っけてくれるかもしれません。
自分の番組ですから当然紹介してくれるはず。
そうすれば日本全国のしょこたんファンがブログからGyaOを見ることになります。
当然、視聴率(っていうのか?)は跳ね上がり広告収入を得る上でも大きな力になります。
現在はまだ、すべてのコンテンツに固定リンクが無いかもしれませんが(確認してないが)すべてのコンテンツ、すべての話数にそれぞれ別個の詳細ページを用意してそこから埋め込みコードを取得できるようにすればいいわけです。
ただこれも、GyaO以外のページで番組が再生されたりする事が外部調達のコンテンツでは契約上許されない可能性があるので(そうなってる気がする)、その場合はニコニコ動画みたいにクリックしたら番組の詳細ページにジャンプする埋め込みリンクのコードを提供するのでもいいでしょう。
まあどちらにしろ、まず最初にやらなきゃいかんのは『トップページ以外のリンク厳禁!』という不可解なリンクポリシーの撤廃でしょうか。
あれはなんなんだ?番組を紹介するなって言ってるに等しいですが。
USENはGyaOをそんなに見て欲しくないのだろうか?と激しく頭抱えましたがな。
GyaOにとってもプラスどころか、激しく足引っ張ってるリンクポリシーなのが明らかだし法的拘束力も無いので僕はずっと無視して直接コンテンツのページへのリンク張ってますけども。
他にも、話題共有の仕組みとしてはYouTubeやLast.FMのような本物のソーシャルネットワーク機能をつけてユーザー同士の交流が可能にするというのもありますが、予算が厳しいのが明らかなのに1からサイト作るに等しいですし、かといって外部から新規ユーザ呼び込む積極的機能とはいえず当たるかどうかはなんとも…なので却下です。
あくまでもGyaOの外からGyaOのコンテンツに新規ユーザ、非アクティブユーザがアクセスして番組を見てくれる方法を考えましょう。
毎日GyaOのサイトをうろうろして見てくれるアクティブユーザはこのさいほっといても大丈夫です。
新規ユーザの開拓が肝要。
日本人の代表的なテレビ視聴スタイルは『だら見』『ながら見』である
コンテンツに話題共有の付加価値をつける事とともに重要なのが暇つぶし層の開拓です。
最初に、GyaOがレンタルショップであり放送局ではないと書いた理由もここにありますがGyaOでは選んだコンテンツをオンデマンドで配信することしかやってません。
つまり、見たい物がある人がそれを見るためにやってきて探して、再生ボタンをクリックしてくれないと視聴に結びつかないわけです。
話題のドラマなり映画なりがあるならばそれでも少しは引っ張ってこれますが、GyaOのラインナップではちょっとそれは期待薄です。
アニメではちょっと目を引く物がありますが。
それに対してテレビは電源をつければとりあえずなんかやってます。
つまらなかったらチャンネルを回せば別の番組を見れます。
たまたま見た番組がおもしろかったら、次回放送からはそれを見るためにチャンネルあわせてくれるようになるかもしれません。
そして、とくに熱心にテレビ見てないときでもつけっぱなしにして、音だけ聞いて他のことやってたりします。
これは日本特有の視聴行動らしいですが、『だら見』『ながら見』といって日本のテレビ視聴率はこれに支えられているといっても過言ではありません。
広告を唯一の収益モデルとして採用しているGyaOでは『だら見』『ながら見』層の視聴率を無視すれば事業の成功はおぼつかないでしょう。
ですからGyaOでもこういう事が出来るようにするべきです。
『だら見』『ながら見』には流しっぱなしのチャンネルサービスが必要
テレビ放送と同じようにチャンネルごとにタイムスケジュールを作って現在配信中の番組をテレビのように延々と流し続ければ、とくに見たいものがなくてもとりあえずGyaOつければなんか見られるって感じになります。
各チャンネルごとに時間帯を考えたりして番組を編成しオンデマンドで配信しているコンテンツをCMつけて流すという形が基本です。
時間に空きがあればCSのチャンネルみたいにリピート放送を何度もやればいいんです。
たまたま見たコンテンツがおもしろかったらオンデマンドでアーカイブから見てくれたりするかもしれません。
本放送をチャンネルサービスで放送後、オンデマンドサービスでいつでも見られる形にして、その放送期間も終わったらShowTimeで有料で…って流れを作れば良いと思います。
このモデルは光テレビなんかの基本的な考え方に近いです。
僕はオンデマンドTVと契約してますが、オンデマンド配信のものは滅多に見なくてたいていはチャンネルサービスを適当に見てます。
オンデマンド配信だけだったらあれらのサービスは盛大にズッコケているだろう事が容易に想像できます。
こういったサービスで『ながしっぱ』と『オンデマンド』は車の両輪です。
とにかく、スイッチつければなんか見られるのと、自分で見たい物を探して再生するのでは敷居の高さがまったく違います。
モチベーションの低いユーザにも広く見て貰わないと広告モデルなんてうまく行くわけがないんです。
とはいえ、なんもPCでやることないのにGyaOにアクセスして流し続けてくれる人はあまりいないかもしれません。
PCをつける時はなんかPCでやってるのが普通ですし、電気代もかかるので『だら見』よりも『ながら見』をより重視すべきでしょう。
そこで使えそうなのがデスクトップのサイドバーです。
Googleデスクトップに同梱されてたり、WindowsVistaでは標準機能になってたりするサイドバー向けにGyaOプレイヤーガジェットを用意して、チャンネルサーフィン出来る様にすればPCでなんかやりながらGyaOを画面のはじっこで再生という『ながら見』環境が作れます。
わざわざGyaOにアクセスしなくてもPCを立ち上げてガジェットの再生ボタンを押すだけでGyaOのコンテンツを『ながら見』出来るわけですから、これは結構魅力的だと思います。
かなりテレビに近い使い方が可能ですね。
集中してみたい時のために最大化ボタンとかつけたり、ながしっぱだけでなくオンデマンドの番組も探して再生できるようにすればGyaOのフル機能がサイドバーから利用できます。
GyaOのサイトから番組を探して利用してくれる現在の濃いユーザーとWindows起動するだけで見てくれるユーザでは、どう考えてもターゲットの広さが段違いです。
視聴登録だけしてまったく見てないというユーザを減らしアクティブユーザを増やす効果が期待できます。
まとめ
と、こんな感じでGyaOに欠けていてテレビにはあるものを検討し、それをインターネットを利用したパソコンテレビに適した形で備えるにはどんな事が考えられるかいろいろと書いてみました。
大事なのはいろいろなレベルで話題の共有を可能にし口コミ効果を最大限に引き出し新規ユーザを呼び込むこと。
そして、アクセスしてくれたユーザが敷居を感じずに継続して利用できるようにする事です。
現在のGyaO、というかYahoo動画も含むネットでのビデオ番組配信サービス全般にはこれらが決定的に欠けています。
『ユーザの獲得』と『ユーザの繋ぎ止め』という基本がまったく出来てないんだからそりゃ盛り上がるわけがない。
逆に、この二点をクリアしたサービスを作ればビジネスとして結構な可能性があると考えます。
がんばって欲しいものです。








