今年で実業界からの引退を決めているビル・ゲイツが打った人生最後、そして最大の賭け。
マイクロソフトによるヤフーへの前代未聞の巨額買収提案が話題になっとりますね。
市場価格に6割のプレミアムをつけた総額4兆7000億円にものぼる史上最大の買収提案。
株価上昇によるコスト増を抑えるため水面下で交渉を行うのではなく全世界向けに向けて提案を発表するという前代未聞の劇場型買収劇の始まりです。
昨年、一昨年も買収交渉を行いましたが、今度はスケールが違います。
この発表は世界中のヤフー株主、ネットユーザーに向けたメッセージであり、また決意表明でもあるのでしょう。
そして、なによりヤフー新経営陣に向けての決意表明です。
まさに背水の陣を敷いてきたと言ってよいと思います。
すでに情報テクノロジー業界のヘゲモニーはソフトからサービスへと移行したのは明らかな訳ですが、それは情報サービスの覇者Googleが情報テクノロジーの覇者となりマイクロソフトはGoogleへアクセスするためのソフトを作ってるソフトメーカーに過ぎない時代の幕開けでもあります。
かつてWindowsをインターネットアクセス端末のうちの一つに過ぎなくなると予言したネットスケープはマイクロソフトによって再起不能なまでに叩きつぶされました。
尋常ではない手段で一時はシェア90%と言われたブラウザを一気に死に至るまで追いつめて、政府による独占企業マイクロソフト解体論まで誘発する羽目にあの行動の裏にはマイクロソフトが当時感じていたとてつもない恐怖が見て取れました。
しかし、一度は乗り越えた危機が今やもう避けようもない確定された未来として迫りつつあるわけです。
Googleを何とかして止めないとマイクロソフトは覇権企業としての力を完全に失いただのソフトメーカーになってしまう。
そんな危機感が検索サービス二位のヤフーへの巨額買収提案に背景にあります。
これまでにGoogleに対抗して行ってきたサービス開発はどれもこれも業界ウォッチャーの失笑を買うばかりでろくな成果を挙げてません。
MS Liveサーチのシェアはわずか7%。
Googleのそれは70%にせまる圧倒的な数字です。
これだけのシェアを持ちつつもGoogleは攻めの姿勢を崩すことなく、全世界の全ての情報をインデックス・再構成するという目標へ驀進しています。
いまやWindowsPCを買う人間の誰もが、その目的はインターネットを使うこと。
そのインターネットの情報の流れはGoogleが支配しているわけで、Windowsがただの端末ソフトというのは未来の話ではなく今現在すでにそうなってしまってるんですね。
死の宣告を受けてカウントがすでに3くらいまで減ってる状態。
そりゃ必死ですよ。
だからGoogleに次ぐインターネット検索のシェア二位のヤフーを何としてでも買収しなければならないわけです。
だってMSのシェアは7%ですもん。
70%近いGoogleと勝負になるわけ無い。
とはいってもヤフーも二位とはいえわずか20%ほどのシェアしかありません。
買収しても7:3ではあまり状況は変わらないと思いますが。
てか、そもそもマイクロソフトのインターネットにおける影響力は誤差程度の存在に過ぎず、『MS+Y! vs Google』と『Y! vs Google』はぶっちゃけあんまり変わらんというのは禁句か?
今まで試合に参加すら出来てなかった選手が、とりあえず参加チケットだけは手に入れる事が出来るってだけの話です。
1が100になろうと1000の方がでかいんです。
ぶっちゃけ。
米ヤフー
で、それほどの決意を込めたMSの提案ですが、ヤフー側の動きは…
インターネット検索の米ヤフー(YHOO.O: 株価, 企業情報, レポート)は、マイクロソフト(MSFT.O: 株価, 企業情報, レポート)からの買収提案に対抗するため、ライバルのネット検索最大手グーグル(GOOG.O: 株価, 企業情報, レポート)との提携を検討している。ヤフー経営陣の考え方に近い関係筋が3日明らかにした。
ヤフーは、マイクロソフトからの446億ドルでの買収提案が自社の価値を低く見積もっているとみているという。
なんと対抗してGoogleとの提携を検討とリーク。
いくらなんでも嫌われすぎだろマイクロソフト。
まあ、わざわざプレス向けに流すとこみるとこれは交渉を有利にするためのブラフの可能性が高いと思いますが、社内のMS傘下入りへの抵抗の強さとGoogleの圧倒的パワー考えるとありえない話でもないのかも…と思えてきたり。
それ以前に市場価格に6割以上のプレミアムをつけたこの額、僕は圧倒的にヤフーを過大評価している額と思っているのでヤフー側の安すぎるというコメントがギャグにしか見えません。
まあ、MSには無いGoogleへの挑戦権をヤフーは持っているというのは確かなので、その権利にいくらの値段をつけるかという話であればMSにとっては高くない額なのかもしれませんね。
でも、それでもマイクロソフトはソフトメーカーなんですよ。
物を売って生きるしかしらない会社。
Googleは時代の転換点にただ一社だけ登場するミュータントです。
かつてコンピュータの価値がハードウェアの価値であった時代に、ソフトウェアこそが価値を決めるという新たな時代を切り開いたマイクロソフトもまたあの時代においてはミュータント企業でした。
しかし、いまやハードもソフトも問題ではなく、その先の情報が価値を生み出す時代へと時代は変わってしまったんです。
IBMの時代が終わりMicrosoftの時代が来た。
そして、Microsoftの時代も終わりGoogleの時代が来るのは避けることが出来ない事でしょう。










